こんにちは。オリトです。
今回の記事では、
”自分が「良かれ」と思ってやった仕事が実は迷惑になっていることもありますよ”
という内容を書いていきます。
ちょうど職場でこういう方を見かけたのですが、本人は気づいていないようだったので、実例を交えて書きます。
また、解決方法も書いておきます。
親切心が迷惑になってしまった実例
これは、僕がKさんという方に仕事を頼んだ時のことです。
Kさんは最近入社した人で、僕より年齢が5つ上のデザイナーさんです。
以前は独立して自分でデザインの仕事を受注していたと聞きます。
その日Kさんは、17:00に仕事を終わらせて帰る予定でした。
僕が、「このチラシのデザインデータを次回の内容に打ち換えて、今日入稿してほしい。」とお願いしました。
ちなみに、当日急に伝えたのではなく、3日くらい前から「こういう依頼をするよ」というのは話してありました。
事前に話していたので、僕が「当日にデータを受け取って、1~2時間で入稿しないといけませんけど、文字の打ち替えが数か所と、画像の差し替えが1箇所なので大丈夫そうですよね?」と確認すると、
Kさんは「差し替え作業だけなので、その内容ならすぐ終わらせられますね。」と言ってくれました。
併せて僕の方から、「今回はデザインは変えなくて大丈夫です。その次からは余裕があるのでデザインの変更もお任せします。」と伝えました。
が、結果は…。
なんと、1時間オーバー(残業)した上に、データを作成しただけで入稿は僕に任され、「変えなくていい」と話したデザインが色々変わっており、上司がそのデザインで納得しなかったため一から僕がやり直すはめになりました。
「ただ言ったとおりに差し替え作業だけやってくれれば、僕の仕事は増えなかったし、Kさんも予定通り帰れたのに…。」
内心、何してくれてるんだ、と思ってしまいました。笑
何が問題だったのか?
さて、今回の問題についてですが、Kさんに悪気があってやったことではないというのは分かりますよね。
大雑把に言ってしまうと、
これがKさんの問題でした。
さらに細かく分析すると、このようになります。
この1.~3.の何が問題なのか、それぞれ見ていきます。
1. 自分の納得のいくデザインにしたい
デザインなどを担当していて自分の中に美意識を持っている人は、「自分の納得のいく美しさにしたい」と思いがちです。
実際に僕もデザインの勉強をしていた身ですが、気を付けないと「周りの人のためのデザイン」とかけ離れたものが出来上がってしまうことがあります。
そして、Kさんの中で「自分が納得すること」の優先順位が高くなってしまったのが問題です。
優先するべきは、以下のことでした。
当然ですが、納期は一番に守らなければなりません。
そして、納期を守れなかった場合、誰にどんな迷惑がかかってしまうか、というのを想像するのは仕事として当然のことです。
だからこそ、”時間がかかりそうな「デザインの変更」はしないで良いよ”と伝えていました。
2. 多少残業になっても、自分は問題ない
Kさんは基本的には優しい人です。
なので、「仕事が多少伸びて残業になっても仕方ない」という気持ちでいてくれたのでしょう。
しかし、会社の立場としてはどうでしょうか?
今の時代、「残業はしないでほしい」というのが会社の本音です。
残業代も払わないといけないし、残業時間が増えすぎると労基に引っかかる場合もあるからです。
しかも、必要のない仕事(デザインの変更)をした上に、残業までしている、というのは会社側からすると一番困りますよね。
このような相手(会社)の立場を考えることも重要です。
3. デザインを良くしたら喜んでもらえるはず
そもそもデザインというのはアートではなく、「相手のため、周りの人のため」のものです。
デザインでなくても、仕事の本質は同じです。
Kさんは「自分はこれが良いと思う」と考えて行動していたようですが、出来上がったものは誰が見ても「これはナシだな」と感じるチラシでした。
(強調したい文章が細字になっていたり、図が見づらくなっていたり。)
こういう仕事は「自分の感覚(センス)は世の中と合っているか?」というのを常に自分自身に問いかけなければいけません。
自分が良いと思ったものが世の中の感覚とズレていたら、効果が出ないからです。
Kさんも、デザインを変更している途中のタイミングで「こんな感じでどうでしょうか?」と確認をしてくれれば、周りの人が止めてくれたかもしれません。
「良くなるはず」「喜んでもらえるはず」というのは、動機としてはとても良い感情ですが、独りよがりになっていないか常に気を付ける必要があります。
問題点まとめ
さて、全てに共通する根本的な問題をもう一度確認しましょう。
これに尽きます。
とはいえ僕自身がこれを完璧にできているとも思いません。
なので、Kさんを責めたいわけではありません。
「どうやったらお互い上手くやっていけるかな?」と考えるだけです。
僕の問題点
Kさんの問題点ばかり挙げるのは僕自身の反省にならないので、僕自身の問題も見ていきます。
1. 「デザインは変更しなくていい」理由をもっと伝えるべきだった
もしかするとKさんとしては、「”デザインを変更してはいけない” とは言われていない」と考えていたのかもしれません。
Kさんは僕より5歳年上で、以前からデザイナーとして仕事を受けることもあったようなので、プライドもあるのでしょう。
入社したばかりなので「自分の力を見せたい!」という気持ちだったのかもしれません。
僕は「納期が今日までで、〇時までに確実に入稿したいので、今回はデザインを変更せずに入稿してください。」と言ったほうが良かったですね。
また、一度ではなく何度も繰り返しても良さそうです。
2.途中経過を気にしてあげるべきだった
Kさんは以前からデザインの仕事をしていた、というのを耳にしていたので、僕は「Kさんなら大丈夫だろう」と気を緩めてしまいました。
気を緩めず、「念のため途中経過を確認しておこう」と考えられれば今回の件は防げたかもしれません。
3.残業しないことの重要性を伝えるべきだった
これは少し難しい気もするのですが…。
Kさんには「残業までして仕事をするのは良い社員だ」という先入観があったかもしれません。
一昔前までは日本はそのような文化だったので、「僕より5つ年上のKさんがそういう文化で育ったかもしれないな」ということに気が付けばよかったですね。
ただ気づいたとしても、相手が年上なのでこのあたりはとても言いにくいのが実情。
やんわりと「うちの会社は残業に厳しいので、定時に帰れるようにお願いします。」と言うのがよかったかもしれません。
最後に
こういった日常の問題からも、コミュニケーションと仕事の本質が学べるのではないかと僕は考えています。
とにかく、
これが何においても必要だと感じます。
仕事にしろ、恋愛にしろ、友人との関係にしろ、「相手や周りの人がどう考えるだろう」という想像を普段からしておくと、鍛えられるはずです。
僕自身、まだまだレベルは高くないと思いますが、日々意識して過ごしていこうと思います。
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